『忘れ雪』

『ブレイブ・ストーリー』と一緒に借りてきた本。カバーにだまされましたね(笑。ラブラドールの仔犬がちんまり描かれていて、やられてしまいました。中身は「オトコからみたナルシスト極甘恋愛ファンタジー」で、途中でむかむかしながら読み進みました(じゃあやめとけって)。女性は一変通りのパターン(すごく尽くしてくれる女と無邪気で自分を翻弄する女)しかでてこず、運命の出会いと称してまったく面識ない人にまでぺらぺらしゃべっちゃう神経が信じられない。この作家(新堂冬樹)の本をはじめて読んだのであとでamazonで書評をみてみたら、今まではハードボイルドというか救いのない話を書いていた作家だとか。だから文体が恋愛小説に合ってないんだ。体言止めがやたら多くて、それも違和感を感じるもとでした。すっきり。
あと、高村薫『晴子情歌』上下巻も一緒に借りてあるのだけど、こちらは上巻の1/3で時間切れリタイア。旧かなづかひは読むの大変でした。再挑戦は微妙です...。

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『ブレイブ・ストーリー』

週末は読書に熱中してしまいました。宮部みゆき著の極太上下巻を3日で読了。これをフジテレビが劇場用長編アニメーション映画化するというニュースをだいぶ前に見た覚えがあって、図書館で珍しく上下ともそろっておいてあったのを借りてきました。宮部みゆきは好きな作家で、5-6年前はほとんど読んでましたが『模倣犯』ヒット以降は時代ものだけ読んできました。
やっぱり少年が主人公の話はうまいですね。自分の望みをかなえるために幻界(異世界のこと)赴き、旅をしながら宝玉をあつめて運命の塔をめざすのですが、一人は仲間の助けを借りながら非力なりに進む、もう一人は最初から魔術を駆使して目的のためには容赦ない旅をする。それはそのまま現実世界のかれらのありようを示しているわけです。こういう設定、彼女の物語ではよく登場します。
それにしてもこの話の現実世界のストーリー、アニメにできるんでしょうか。かなり過酷です。とくに幻界で会う父親そっくりの男の口からでる自分勝手な本音の部分なんか、そうとう衝撃です。彼女の紡ぐ物語のダークサイドが如実にでています。「母を救うため」という一言では片付けられないフクザツな事情を2時間におさめられるのかなー。2006年公開だそうですので楽しみです。

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